菱環紐式
|
高さ20〜30cmのものがおおく、厚手。
|
身の文様は横帯文か四区画袈裟襷文が見られる。
|
鰭は施文の余地のないほどせまい。
|
外縁付紐式
|
高さ20〜30cm前後、菱環紐式よりやや大型化。厚手。
|
身の文様は二・三区画流水文か四区画袈裟襷文。
|
かく部分を通じて、まだ装飾の方式が確立していない。
|
鋳損じた部分の文様はタガネの刻線で補修している。
|
ところで、紐の内面凸帯(ふり鳴らすためには、この凸帯が必要である)
|
に磨滅痕のいちじるしいのは、この菱環紐に外縁がついた、
|
外縁付紐式のときまでである。すなわち、振り鳴らす鐸の機能が、
|
まったく違うものにかわっていく時期である。
|
扁平紐式
|
紐は扁平の板になり、かつての菱紐は一本の凸線となって中央に残る
|
高さ30〜60cm前後、薄手。
|
身の文様のうち、流水文は、前面一区の構成にかわり、
|
袈裟襷文のほうは、いままでの四区画のほかに、六区画によりはなやかに
|
飾られてきた。
|
やがて、中部地方でも作られるようになり、三遠式などといわれる、
|
装飾文の地方色がはっきりしてくる。
|
突線紐式
|
高さ50cm以上、1mを超えるものもある。鋳ばなしの大形品。
|
紐はもう鐸身の三分の一に近い、小判形の完全な飾り板になった。
|
扁平紐の外周、および身の施文は、帯の外側の境界から、
|
いくつもの突線で、区分して飾られるようになる。
|
はじめは、四区画袈裟襷文や流水文も使われていたが
|
まもまく、並列した六区画袈裟襷文のみが愛好されるようになった。
|
扁平紐式にみられた地方色は、新しい1群に、より古い2・3群の
|
特徴が組み入れられつつ統合され、
|
ついには、近畿式とよぶ、六区画袈裟襷文鐸、
|
小判形大紐に3個の双頭渦巻文の飾耳をつけた形式が、東瀬戸内地域で
|
成立し、近畿中央部で発達したもようである。
|