あとがき
「銅鐸」これを昔の人がなんて呼んでいたか、かすかなヒントがありました。
「鉄鐸」を「さなぎ」というから 探っていきましたら
「類聚名義妙」に「鐸」オホスズ、ヌリデ、サナギとあるそうです。
蚕の繭のサナギと鐸の形状が類似しているのが根拠ではないかと推測します。
「佐奈伎」という字が当てられるようです。
銅鐸が神体の佐ナ神社(但馬)や猿投神社(三河)から間違いなさそうな感じです。

(追記、および変更)13・6・16
「さなぎ」というのは、どうも無理のようです。
かなり「鉄」系統の言葉の影響をうけている。
鉄鐸以外考えられないというのが、今のわたしの考えです。


(追記)14・1・25
私の調べれた限りでは所謂「蛹(さなぎ)」は古語辞典では見つかりませんでした。
一体誰が初めに、蛹のことをサナギといったのか!!
ということで私の調べた内容です。

○古語大辞典(小学館)
さなき(鐸)鉄製の大きな鈴。古代の祭式用具。「ぬりて」「ぬて」とも。
○日本国語大辞典(小学館)
さなき(鐸)の語源説
・サナキ(細鳴)の義(東雅・日本語源=賀茂百樹)
・サナケ(細鳴器)の義(言元梯)
・サヤナキ(鏘鳴)の義(大言海)
・サナキ(狭鳴)の義(神代史の新研究=白鳥庫吉)
・サは接頭語、ナリは鳴の義で単に鳴り物を意味した語(日本古語大辞典=松岡静雄)
・風鈴形をしており、舌が長く垂れ出ているところから舌長(シタナガ)の義
(松屋筆記)
さなぎ(蛹)の語源説
・サナキ(鐸)を見たてた名。繭の中で固まり、振れば音がするところから(大言海)
(語源大辞典)
・ウセナカコモリ(亡中籠)の義(日本語原学=林甕臣)
○日本方言大辞典
・さなぎ−てぐす。または釣り糸にかがった釣り針(島根県美濃郡益田市)
    −ふんどし。(鹿児島県奄美大島、徳之島、与論島)

古代、蛹や卵は、「コ」が基本になっている言葉のようで、
サナギなんてのは、出てこない。

私の中では
鐸(サナキ)の語源が「蛹」だと思っていたら、
蛹(サナギ)の語源が「鐸」かも知れないという本末転倒な結果になっています。



加茂地名と銅鐸の探険はこれでしばらく休憩しようとおもっております。
現在までに出雲、それも加茂岩倉で銅鐸が大量に発見されたことは加茂地名に
復活の光を射す事になったと思いますが、どうしても解決できない問題があります。
近江と紀伊の問題です。
この2地域の銅鐸出土数と加茂地名数があまりにも違い過ぎます。
後期銅鐸の多い地域だから除外してもいいのかと言えば全くそう言えず、
同じく後期銅鐸の多い三河、浜名湖地域では加茂地名がしっかりあります。
この近江・紀伊の問題をクリアしなければ、銅鐸加茂説は成立しません。
いままでこれといってヒントになるものも見つかりません。降参です。

それから私の夢!銅鐸大量発見予測地ですが
「出雲加茂」で発見されたからには、残る場所といえば「山城加茂」です。
しかし山城は神武期におぼろげながら姿が見えているので可能性低いかな?
でもまったく縁もゆかりも無いところに移動しないと思うんですが。
ぜひそのあたりで工事をされる方は注意しながらお願いします。(爆)

まだ銅鐸の出土地現在の地名がわからないものがあります。
梅原さんの出土一覧が見れたらこんな苦労はいらなかったと思います。
まだまだ自分の作った出土地リストは完全なものではありません。
ほんの参考程度と思って頂きたいです。
解らないリストもつくりました。解る方誠に勝手ながら教えていただきたくお願いします。


<参考文献>
「銅鐸」藤森栄一著

銅鐸出土地 解らない地名地リスト 仮説その1